請求書にハンコはなぜ必要なのか、疑問に思ったことはあませんか?実際、請求書に必ずしもハンコは必要ではありません。
法的には請求書自体がそもそも必ず必要ではなく、場合によっては口頭での約束も請求として成立してしまうケースも。
しかし、実務上は双方事実確認のために請求書を作成し送付します。その中でハンコがもつ意味は、書面の信頼性の向上です。
ちなみに請求書にハンコが押されてないからといって、請求書としての効果がなくなるというわけではないのです。
この記事ではなぜ請求書にハンコがなくても問題ないのか、法律やビジネス習慣の観点から分かりやすく解説します。
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請求書にハンコを押すのは法律上の義務ではない
請求書にハンコを押すこと自体は法律上、義務として定められていません。そもそも請求書の発行自体が法律で定められていないのです。私たちが普段コンビニやスーパーで買い物する際にも、請求書は受け取りませんよね。
しかしながら、ビジネスにおいては請求書がなければ後でトラブルになりかねないため、多くの場合に請求書が発行されています。
請求書になぜハンコを押しているのか
請求書にハンコは必要ないのになぜ押されているのか、疑問に感じている方も多いと思います。
請求書にハンコが押されている意味としては、主に2つ。
- 信用の問題
- 改ざん・偽造の防止
一番分かりやすいのは請求書としての「信用問題」です。ハンコが押されていることで、取引先に「信用できる書面であること」を証明しています。
信用の問題
ビジネスにおいて、「重要書類にはハンコが必要だ」と考える人も多いでしょう。請求書に関してもハンコを押すことが、義務付けられている企業も少なくありません。
ハンコがない請求書よりもハンコがある請求書の方が、法律的にも書面として認められやすく、信用の面でも評価が高いのが事実。信用問題を考えるとハンコは、ないよりあった方がよいといえます。
改ざん・偽造の防止
請求書にハンコを押すことで請求書自体の改ざんや、偽造の防止にも効果を発揮します。
- ハンコが押されている請求書を偽造した場合:有印私文書偽造で3カ月以上5年以下の懲役
- ハンコがない請求書を偽造した場合:無印私文書偽造で1年以下の懲役または10万円以下の罰金
法律的に見てもハンコがある請求書の方が、かなり罰則が厳しいことが分かります。それだけハンコがあった方が請求書としての信用度が高いということです。
請求書に押すハンコの種類は決まっている?
請求書に押すハンコの種類は、主に角印です。企業のハンコの種類としては、大きく3つに分けられます。
- 丸印:法的に登録されたハンコ
- 銀行印:口座開設時に金融機関に届け出るハンコ
- 角印:認印として使われるハンコ
請求書などの書類には認印として普段利用しているハンコ(丸印)でも十分効果を発揮しますので、丸印や銀行印をわざわざ使用することはありません。
ここからは、それぞれのハンコの意味を、もっと詳しくみていきましょう。
丸印
丸印は主に代表者印と呼ばれることが多く、法人であれば代表取締役のハンコとして効果を発揮します。丸印の主な利用シーンとしては契約書や申請書、印鑑登録証明書など。
重要な書類にのみ利用される印鑑なので、請求書などの普段作成されるような書類に活用されることはありません。
銀行印
銀行印とはその名の通り、銀行を口座を作る際に必要となるハンコを指します。銀行印はおもに現金の出し入れや、小切手の発行などの際に必要なハンコ。
金融機関に関する重要な書類にのみ利用されるハンコなので、請求書などの書類に利用されることはありません。
角印
角印とはおもに個人名や会社の名前が入ったハンコを意味し、認印とも呼ばれます。角印は銀行や行政などへのハンコの登録は全く必要なく、書類の確認が行われた際などに利用される普段使いのハンコといえるでしょう。
また、最近は画像データで請求書を発行するケースもあります。その際にも角印が印刷された状態で送付することで、書類にハンコが押されている請求書と同じ効果を発揮します。
請求書のハンコはどこに押す?
請求書にハンコを押す際には捺印欄がある場合は、「印」の上に角印で押印するようにしましょう。逆に、捺印欄がない場合は、会社情報(住所、社名、電話番号など)の右側に押印するのが一般的です。
押印する際には、必ず会社情報に被せるように押印するようにしてください。会社情報にハンコを被せることで、会社情報とセットになっているという意味と、改ざん・偽造防止にも効果があります。
請求書のハンコはないよりあった方がいい
法的な面からみると、請求書には必ずしもハンコは必要ありませんでした。しかし、請求書にハンコがあるのとないのとでは書面の信用度に違いが出てくるので、ないよりはあった方が良いといえるでしょう。
請求書にハンコを押すことで得られる効果としては、大きく分けて2つ。
- 信用の問題(押印してある請求書の方が信用度が高い)
- 改ざん・偽造の防止
請求書としての信用度や改ざん・偽造の防止を求めるのであれば、やはり請求書にハンコはあった方がよいでしょう。