緊急事態宣言が発令され、緊急事態宣言が発令されていない都道府県でも感染者数は増え続けています。
特に緊急事態宣言下の都道府県の企業は、テレワークや飲食店は20時までの時短営業になり、
企業の売上は大きな打撃を受けている企業は多くなっています。
そこで2020年の第三次補正予算で企業が新たな業態展開を支援する補助金が発表されました。
いままでの持続化給付金は企業の継続を支援する給付金になっていましたが、事業再構築補助金は新たな取組を支援する攻めの姿勢を支援する補助金となっています。
今回は事業再構築補助金について紹介します。
Contents
企業の思い切った事業再構築を支援する
概要資料はこちら
https://www.chusho.meti.go.jp/
この補助金の目的は、
ポストコロナ、ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、とあります。
そもそも、補助金と給付金と助成金の違いはなんでしょうか?
補助金(ほじょきん)
補助金とは、政府が私企業や個人などの民間部門に対して行う一方的な貨幣の給付です。
経済学上はより広義に補助政策全体を指すこともありますが、一般的にはお金の給付のみを補助金といいます。給付金(きゅうふきん)
英語から翻訳-助成金は、一方の当事者(多くの場合、政府部門、企業、財団、または信託)から受取人(多くの場合、非営利団体、教育機関、企業、または個人)に支払われる、または与えられる返済不能の資金または製品です。助成金(じょせいきん)
助成金は、主に厚生労働省が雇用増加や人材育成のために実施しています。
原則通年を通して申請可能です。
業種や社員数など条件に合致していれば、ほぼ支給され難易度は低いです。
助成金を受け取るには、提案または申請と呼ばれることがある何らかの形の「助成金の作成」が必要です。雇用調整助成金(こようちょうせいじょせいきん)
雇用調整助成金とは、日本において雇用保険法等を根拠に、労働者の失業防止のために事業主に対して給付する助成金の一である。雇用保険のなかの「雇用保険二事業」と呼ばれる事業のうちの雇用安定事業として行なわれる。 日本は世界的に見ても特に解雇が難しい国であり、景気が悪くなったからといって従業員を簡単に解雇できない。
補助金と助成金の違いはほとんどありません。
補助金も助成金も国や地方公共団体、民間団体から支出されて原則は返済不要です。
違いは、補助金は予算が決まっていて最大何件という決まりがあります。
公募方法によっては抽選や早い者勝ちになるなど、申請してももらえない可能性もあります。
一方助成金は受けとるための要件が決まっているので、それを満たしていれば年間を通してほぼ支給されます。
事業再構築補助金とは?
2020年の第三次補正予算で企業が新たな業態展開を支援する補助金です。
事業再構築補助金の対象者
- 申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
- 事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。
- 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。
以上の3つの条件すべてを満たす企業、団体が対象となっています。
※不可価値額とは営業利益、人件費、減価償却費を足したものとする予定となっています。
事業再構築補助金の補助対象額
対象企業 | 補助額 | 補助率 |
---|---|---|
中小企業【通常枠】 | 100万円~6,000万円 | 2/3 |
中小企業【卒業枠】 | 6,000万円超~1億円 | 2/3 |
中堅企業【通常枠】 | 100万円~8,000万円 | 1/2 |
中堅企業【グローバルV字回復枠】 | 8,000万円超~1億円 | 1/2 |
小規模事業者や個人事業主も対象となっているので、要件が合っているならぜひ活用して欲しい補助金です。
事業再構築補助金の卒業枠
事業期間内に、
①組織再編、
②新規設備投資、
③グローバル展開のいずれかにより、
資本金または従業員を増やし、中小企業から中堅企業に成長する事業者向けの特別枠となっています。
400社限定のものです。
事業再構築補助金のグローバルV字回復枠
- 直前6か月のうち任意の3ヶ月の合計売上高がコロナ以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して、
15%以上減少している中堅企業。 - 補助事業終了後3~5年で付加価値または従業員ひとりあたり付加価値額の5.0%以上増加を達成すること。
- グローバル展開を果たす事業であること。
以上の要件をすべてを満たす中堅企業向けの特別枠で、100社限定の枠です。
事業再構築補助金の対象経費
建物費、建物修繕費、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、
広告宣伝費、販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)が補助対象経費に含まれます。
注意点として、補助対象企業の従業員の人件費及び従業員の旅費は対象外です。
事業再構築補助金の申請方法・申請時期
中堅企業の定義はまだ詳細が決まっておらず、申請開始の時期等まだ未定のようですが、
事業再構築補助金の申請にはGビズIDの取得が必要との
GビズIDについては、以前のこちらの記事も合わせてどうぞ!
GビズID(法人共通認証基盤)で業務を簡素化!できること・種類・費用などを解説
https://smart-keiri.com/blog/547/
GビズIDの発行には、申請から通常2~3週間要します。
(発行申請の状況によっては、3週間以上要する場合があります
今後他の補助金もオンライン申請が増えていくと思いますので、ID取得がおすすめです。
ID取得には約2週間ほどかかるので、申請が始まる前に取得しておくと申請がスムーズです。
以下のURLから取得できます。
https://gbiz-id.go.jp/top/inde
事業再構築補助金の活用イメージ
小売業、製造業、飲食業と業種別にイメージをパンフレットから引用してきました。
■小売業
衣服販売を営んでいたところ、コロナの影響で客足が減り、売上が減少
⇒店舗での営業規模を縮小し、ネット販売事業やサブスクサービス事業に転換。
(対象経費の例)
店舗縮小にかかる店舗改修の費用、新規オンラインサービス導入にかかるネットワーク構築の費用など
■製造業
航空機部品の製造していたところ、コロナの影響で需要が減少
⇒当該事業の圧縮・関連設備の廃棄等を行い、ロボット関連部品・医療機器の部品の製造の事業の立ち上げ。
(対象経費の例)
事業圧縮にかかる設備撤去の費用、新規事業に従事する従業員への教育のための研修費用など
■飲食業
レストランを経営していたところ、コロナの影響で客足が減り、売上が減少
⇒店舗での営業を廃止。オンライン専用の注文サービスを新に開始し、宅配やお持ち帰り需要に対応。
(対象経費の例)
店舗縮小にかかる建築改修の費用、新規サービスにかかる機器導入費や広告宣伝のための費用など
まとめ
事業再構築補助金についてご紹介しました。
コロナウイルスの影響で売り上げが悩んでいる企業が新しい事業を始める際に支援し、活用できる内容です。
第三次補正予算で大きく予算を確保されているようですので、今後注目できる補助金になるかと思われます。
まだ詳細は未定なので、詳細が発表しましたらご案内します。