新型コロナウィルスによって、世界は大変貌を遂げてしまいました。
仕事はもちろん、学校などの環境はもちろんのこと、健康や衛生に関する考え方、そして人々のライフスタイルや人生における優先順位などが、がらりと変わってしまいました。
みなさんの生活はどうですか?
グローバル化が楽観的に語られていた時代は、人々の往来が増えることは、世界を多様化して、相互理解を深めると考えられていました。
ところが、コロナ禍では人間の移動が増えれば増えるほどに病気もそれによって移動します。
現在新型コロナの死者や感染者が少ないエリアは、過疎化に悩む地方や田舎に多く、
これまでどちらかと言うと軽んじられてきた地域でした。
でもそうした地域ほど非常に安全で、利点があったのです。
テレワークで完結できるのか?
日本では新型コロナの感染者数が増えたため、テレワークや在宅勤務がグッと増えました。
しかしながら、アメリカや欧州では、もう20年以上前から導入している企業も少なくないのです。
その理由は、就労環境を自由に選択できるように多様的に整えた方が、従業員の生産性が上がるからです。
知識産業では、スキルがある人の取り合いになっています。
多様性や柔軟性のある快適な就労環境を用意することは、良い人材を獲得するためにも必須なのです。
だけどテレワーク離れは進んでいる
そんなテレワークのイメージが強いアメリカですが、2019年の調査によれば、現在テレワークの制度を設けている民間企業はたったの7%なんだそうです。
つまり、テレワークできる企業の方が少ないのです。
なぜテレワーク先進国のアメリカで、すでに多くの企業が「テレワーク離れ」が進んでいるのでしょうか?
テレワークは個人で自己完結する仕事には向いているけれど、他者と協調してチームで働く業務には向いてないという説が目立っています。
テレワークできる職業かどうかは収入に左右する
テレワークできる職業は、収入の大小に大きく影響します。
アメリカで高収入の上位10%は25%がテレワーク可能業種です。
ところが、収入が下がるにつれてその割合は低くなり、下位25%だとたった1%です。
高収入の25%の人の職業は金融、経営、ITで、上位10%の時給は
48.28ドル(日本円にして約5100円)以上です。
テレワーク可能な業種は保険の32%がもっとも高く、ついで専門職と技術職(法律事務所等)の29%、情報の16%、もっとも低いのは小売りで1%です。
テレワークができる職業はだいたい、高収入なワケです。
現在は新型コロナ対策もあって、この数値も変化していると思われます。
が、テレワーク可能な業種には、さほど変化は起きていないことは予想されます。
実は欧州の方がテレワークは進んでいた!
欧州は、北上するほどにテレワーカーの割合が増えます。
北部の国々は、知識産業が中心で、管理職や知識労働者の割合が高いため、テレワークがしやすく、柔軟で多様性のある働き方を導入している組織が増えるようです。
特に北欧は小規模な国が多くて、人口も少ないので、仕事を効率的に回して、生産性を高めなければ国としては生き残れないという事情もあります。
気候も厳しく、冬は通勤が大変な土地も多いので、テレワークは会社を上手く存続させるために必須です。
日本ではどうか?
日本の国土交通省が行った「テレワーク人口実態調査」によると、2018年全雇用者におけるテレワークの割合は10,8%でした。
ただし、この調査はテレワーカーを
「これまで、ICT等を活用し、普段仕事を行う事業所・仕事場とは違う場所で仕事をしたことがある」人と定義しているので、常時テレワーク可能という意味ではなさそうです。
まとめ
これからテレワークを推進させて、オフィスはなくなっていくのかも?
と思っていましたが、意外とすべてがそうできるワケではなさそうです。
高収入と言われるいわゆるホワイトカラーの仕事だけでないのが
現状ですので、すべてをテレワークで完結できるのは現在すぐには無理なのかもしれません。
個人で自己完結する仕事には向いているけれど、他者と協調してチームで働く業務には向いてないという説が目立っています。
そういう意味では、一人では生きてはいけない、という意味においても、
やはり人間は社会的な動物なのかもしれません。