「サラリーマンの税金は節税なんてできないでしょ」と思う方が多いと思います。
が、「給与所得者の特定支出控除」である一定条件が整えばできる場合があります。
特定支出控除ってどんな制度?
サラリーマンには、原則として経費が認められません。
個人事業主の場合には、収入から必要経費を差し引いた所得について税金を計算します。
つまり必要経費が認められる分、所得を減らすことができ税額が軽減されるのです。
収入-必要経費=事業所得
しかし、サラリーマンなどの給与所得には、上記のような必要経費などの控除がないため(特定支出の控除の特例あり ※後述)、それに類するものとして「給与所得控除」という控除枠が設けられています。
給与収入-給与所得控除額=給与所得額
特定支出
特定支出とは、給与所得者が支出する次に上げる支出のうち一定のものです。
- 通勤費 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
- 職務上の旅費 勤務する場所を離れて職務を遂行するために必要な旅行のための通常必要な支出
- 転居費 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出
- 研修費 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
- 資格取得費 職務に直接必要な資格を取得するための支出
※平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。 - 帰宅旅費 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出
- 勤務必要経費 次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの
ⅰ 図書費 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用
ⅱ 衣服費 制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用
交際費等 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出
意外と使えるかもしれません
資格取得費や研修費などで、高額の費用を出した方などは
自前で出したけど、業務に必要となれば、控除対象になっていれば嬉しいのではないでしょうか?
確定申告すれば、返ってきます。
注意事項
特定支出控除は、会社は業務に必要と認めるのだけれど、費用はサラリーマン自らが自己負担している、しかも会社は払ってくれない費用が対象です。
一旦、自分で立て替えたけれど、最終的に会社から支払われるものは対象外です。
例えば、転勤時の転居費用、単身赴任先から家族の元に帰省した費用の場合、会社から転勤手当等が支払われているとすれば、その会社負担を除いた部分が対象になるということです。
また、会社から「業務に必要」と認められていなければなりませんので、会社(給与支払者)による「特定支出に関する証明書」が必要となります。
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