2021年4月1日から値札が変わります。
もうすでに3月中旬から消費税込みの「総額表示」をいち早くユニクロが始めたことで、ご存知な方も多いと思います。
消費者にとっては、結局いくら払うのかわかりやすくなります。
コロナ禍で店側にさらなる負担を強いることになるのでは、と懸念がひろがります。
春から、消費がどう変わるか考えてみます。
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実はいきなりではなかった「総表示義務化」
2004年より税込み価格での表示が義務付けられていました。(知らなかった!)
値札の貼り替え等の事務負担への配慮などから、国は「表示する価格が税込み価格であると誤認されないための措置」を講じていればいいでしょう、との特例を設けていたのです。
実際に支払うのが1078円だとしても、980円(税別)と表示すれば大丈夫ということにしていました。
その特例措置が2021年3月31日で切れるのです。
例えば、次に掲げるような表示が「総額表示」に該当します(例示の取引は標準税率10%が適用されるものとして記載しています。)。
- 11,000円
- 11,000円(税込)
- 11,000円(税抜価格10,000円)
- 11,000円(うち消費税額等1,000円)
- 11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)
- [ポイント]
- 支払総額である「11,000円」さえ表示されていればよく、「消費税額等」や「税抜価格」が表示されていても構いません。
- 例えば、「10,000円(税込11,000円)」とされた表示も、消費税額を含んだ価格が明瞭に表示されていれば、「総額表示」に該当します。
なお、総額表示に伴い税込価格の設定を行う場合において、1円未満の端数が生じるときには、その端数を四捨五入、切捨て又は切上げのいずれの方法により処理しても差し支えありません。
引用元:国税庁 No.6902 「総額表示」の義務付け
お店の表示はどう変わる?
商品の値段は端数で終わるようになっているものが多いのが特徴です。
これはマーケティングの問題のようですが、スーパーに入れば、88円、198円、398円等の数字が並んでいるのはご存知の通りです。
これは本体価格=税抜き価格ですが、現状ではこちらの方が大きく表示されています。
よくある「98円均一」「よりどり980円」でアピールしている数字も税抜き価格です。
しかし、4月からはこれが難しくなります。
消費税は複数品の合計額に対して計算される場合もあります。
必ずしも一つの商品の総額表示通りの金額にはなりません。
許容される表示の例として「3品よりどり1000円(税込み1058.4円)」とし、1000円だけを強調しすぎないなら良しとの一文もありました。
販売する店側が300円よりは298円、1000円よりは980円という値札を付けるのは、錯覚を利用した“お値打ち感”を演出するためです。
牛丼チェーンは、すき家と松屋は税込み表示、吉野家だけ税抜きと税込みの両方書かれています。
ちなみに同じ牛丼・並盛で価格を並べると、すき家350円、松屋320円、吉野家は税抜きでは352円だが総額表示だと387円になり、かなりの差を感じてしまいます。
ユニクロは先駆けて、すべての商品価格を総額表示に統一しました。
しかも、これまでの本体価格を、そのまま消費税込みの価格にスライドしてしまいました。
商品の本体価格が1990円の場合、改定前であれば客はレジで10%の消費税を加えて2189円ではなく、1990円を税込み価格そのものにしました。
差額の199円を実質値下げです。
消費者にとっては、見やすく、さらに値下げになっているので、宣伝効果もありこちらはプラスに動いているようです。
実際は、どのくらいの大きさで表現すればいいのかもわかりません。
※1円未満の端数は四捨五入・切り捨て・切り上げのいずれかで処理されます。
財務省のQ&Aによれば「1万円均一セール」は価格表示というよりは宣伝文句に当たるそうです。ただし、実際に売られている商品には1万800円、あるいは1万1000円の値札を付けなくてはいけません。
現在も「本体価格500円均一セール」などの表現もありますが、4月以降どうなっていくのかは、店側も様子見なのかもしれません。
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