今までの経理マンとして必要な知識の常識と言えば・・・。
週次、月次、年次業務が出来て、会計のことがわかり、給与計算のことが理解できて、売買などによって、商品の所有権が移転していく流れ、いわゆる「商流」を理解すること。
商流は、「商的流通」や「取引流通」とも呼ばれますが、生産物(商品)が生産者から消費者に流通する過程における、所有権や金銭、情報などの流れのことです。
IT台頭によって、業務が効率化され、クラウドを使うことによって、経理マンはオフィスに必ずいなければ出来ない業務でもなくなってきています。
Contents
ITによる経理の変化
クラウドツールの普及により単純作業にかかる時間が大幅減
情報をクラウド化することで、業務効率化になり、経理を始めとする、いわゆるバックオフィス業務の社員の負担はかなり減りました。
属人化してしまっている作業もクラウド化すれば、何度も同じ説明をする必要はありません。
誰でも同じ作業ができるように情報が整理されていれば、特定の人に頼ることなく作業を進めることができます。
それによって交代で有給休暇の消化ができるようにもなり、ワークライフバランスの実現にもつながるでしょう。
また、ペーパーレスを進めることで紙媒体の作業や保管、印刷や配布にかかる時間をなくせます。
情報がいつでも検索できる状態になるため、紙媒体より必要な情報を探すスピードも格段に上がるはずです。
紙媒体を保存しておく場所も不要になるため、オフィスが整理された状態になります。
オフィスの環境が良くなることは、社員の精神的にもよい影響を与えます。
高いITリテラシーを求められる
ITリテラシーとは、簡単に言えば通信・ネットワーク・セキュリティなど、ITにひも付く要素を理解する能力、操作する能力という意味です。
多くの情報の中から正しい情報をチョイスする「情報リテラシー」と置き換えることができます。
ちなみに「リテラシー(literacy)」とは、読解記述力を意味する単語です。
「○○リテラシー」という言葉は、「○○に関する理解力」といった意味合いで使われます。
近年では、あらゆる企業においてWebを活用したマーケティングがビジネスを成長させる必須の取り組みになりました。
社員には最低限、Webや「Web上のマーケティング」といった概念への理解が求められます。
また、単純なパソコンの操作・アプリケーションの操作もITリテラシーと言えます。
マウスやキーボードの操作方法もITリテラシーです。
オペレーションで使用するツールの機能を知っていると、作業の効率化につながります。
最近新卒で入社してきた若手社員は生まれたときからパソコン・インターネットが身近に存在していた「デジタルネイティブ世代」です。
ですが、必ずしもなITリテラシーが充分というわけではありません。
ITリテラシーの欠如は、オペレーションの効率低下だけではなく、セキュリティやコンプライアンスに関する重大なトラブルを招く恐れもあります。
社員には早い段階で教育を実施し、身につけさせることが重要です。
情報基礎リテラシーとは、簡単に言えば情報を正しく使うための能力です。
具体的には、「情報を探し出す能力」「情報を精査する能力」「情報を使う能力」の3つの能力を内包しています。
幅広い業務を行うため、コミュニケーション能力や応用力も求められる
コミュニケーション能力は、以下のような3つの要素に分類されます。
「伝える能力」「受け取る能力」「非言語コミュニケーション能力」です。
「伝える能力」は、
コミュニケーション能力の要素として挙げられるのが「伝える能力」。
コミュニケーション能力を一般的に言うならば、この伝える能力のことを指している場合が多いようです。
伝える能力とは、「書く」「話す」などの手段を用いて、自分の伝えたいことを相手に「正確に」「効果的に」伝える能力のことです。
単に用件を相手に伝えればいいというわけではなく伝えたい内容に応じて適切な方法を取ることから、正確に伝わったことで生じる効果までが求められます。
「受け取る能力」とは「読む」「書く」などの手段を用いて、相手が伝えたいことや相手の意図を理解する能力を指します。
受け取る能力には、質問をすることもポイントとなります。
単に相手が発した情報、感情、意見、提案などを受け取るだけでなく、それらをより深い次元で理解することがコミュニケーションには欠かせないのです。
「質問をする」ように、自ら情報を取りにいく姿勢も受け取る能力の一つです。
「非言語コミュニケーション能力」とは、言外のより俯瞰的なコミュニケーション能力を指します。
「空気を読む」という言葉をイメージすると分かりやすい言葉でしょう。
周りの雰囲気を感じる、物事を見るなどでその意味を推し測るようなときに使われる能力とも言えます。
コミュニケーションするためには・・
人間関係を築くには、自分を知ってもらうことや相手を理解する姿勢が重要です。
人はお互いが知っている情報を提供し合ったり、自分が知らなかった情報を理解するためにコミュニケーションを取ります。
仕事上の行動では、報告・説明・連絡・相談などです。
そして、自分の意図する方向へ相手を導いたり、行動を促したりすることです。
またコミュニケーションによって相手の協力を得るという目的もあります。
仕事上の行動では、説得・依頼・指示・命令などです。
1・人間関係を築く
2・情報を交換
3・共有する・相手に働きかける
の3つです。
企業が求める経理担当者像
フィードバック
フィードバックとは、業務内での行動などを評価した結果を、その行動した人や会社に対して伝え返すことをいいます。
フィードとは英語で「Feed」です。Feedの意味は食べ物を与える、つまり栄養を与えることを意味します。
「Back」は「返す」。
フィードバックする内容は、どんなものであっても返される側にとって活かせるもの、糧になるべきものという意識が大切です。
フィードバックは評価する側が、評価される側のモチベーションを上げ、能力を向上させるために行われるものなのです。
フィードフォワード
英語で書くと「feed forward」で、ビジネス用語として馴染み深い「フィードバック(feed back)」とは逆の意味を持つ、「フィードフォワード」。
今、フィードフォワードは人材育成の新たな手法として注目されています。
「フィードフォワード」とは「未来に向けた解決策」
「フィードフォワード(feed forward)」は「未来に向けた解決策」をコメントの軸とする注目の評価ツールの一つで、言葉通り「フィードバック(feed back)」とは反対の意味を持ちます。
新しい人材育成の手法で、社員のパフォーマンスにおける問題点を指摘せず、「解決策」にフォーカスしているのが特徴です。
未来に向けての前向きなアドバイス、また社員の主体性を尊重するコメントを残すことで、社員のやる気や自主性を促すことを目的としています。
その利点は「ダメだしや批判的な意見がないところ」。
「フィードフォワード」を採用する最大の利点は「上司からのダメ出しや批判的な意見が含まれていないところ」です。
社員にとって「フィードバック」は恐ろしい存在であるかもしれません。
なぜなら、自身のパフォーマンスを上司の主観でジャッジされ、さらには「山のような指摘」に目を通し対応していかなければならないからです。
「フィードフォワード」は部下を助けようとする気持ちや、業務パフォーマンスが良くなってほしいという願いが、社員に伝わる人事育成のためのツールでもあります。
その他付加価値業務
平成27年1月、内閣総理大臣を議長とする産業競争力会議は「『変革の時代』に対応した高付加価値人材の育成と最大活用に向けて」という書面を発表しました。
高付加価値のポイントは”専門性”で、これからの時代を生き抜く人材が「何かしらのプロ」になることを後押ししています。
また「『どこに入るか』より『何をするか』」を重視し、子どもの頃から自分のキャリアをどう築いていくかを意識する機会を増やしていくようです。
高付加価値人材は、高いスキルを持つ個人を指しますが、彼らは組織内でも高いパフォーマンスを発揮します。
皆さんの職場でもそうかもしれませんが、どれも平均点くらいの人材より、この分野においてはあの人の右に出る人はいないという人材のほうが、仕事の依頼を多く受ける傾向にあります。高付加価値人材はそうして”得意な分野”の仕事に時間とスキルを注ぎ、確実にこなしていくことで、どんどん信頼を上げていくことになります。
どんな職業でも、自分一人だけで完結する仕事はそれほど多くありません。
ですから、チームの一員としてどれだけ全体に貢献できるかは重要なポイントです。
自分自身がどれだけチームに良い影響を与えられるかを考えて仕事をすれば、周りからの信頼も厚くなります。
経理担当者の働き方の変化
働き方の変化 在宅が可能
在宅ワークと似た意味合いで、「リモートワーク」や「テレワーク」といった言葉を耳にする人も多いと思います。
リモートワークは、在宅ワークとほとんど同じ就労形態ととらえてよいでしょう。
一方のテレワークは、もう少し就労形態の範囲が広がってきます。
テレワークとは「情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」のことで、自営型の在宅ワークもテレワークに含まれます。
ほかにも、テレワークには会社雇用による在宅勤務者や、業務を委託され小規模でビジネスを行う「SOHO」、個人事業主の「フリーランス」、オフィス以外のカフェやワークスペースで仕事をする「ノマドワーカー」のほか、「出張」時のモバイルワークといった働き方も含まれます。
経理担当者はITの普及により、遠隔で自宅にて働き方が可能になります。
1社の経理 から 複数社の経理が可能な時代へ
クラウドワークやアウトソーシングの発展のおかげで、経理マンが1社に張り付いて、経理を見るのではなく、1人で複数社の経理を見ることが可能になりました。
いろんな会社の人とのコミュニケーションを取ることによって、コミュニケーション能力が上がるばかりか、経験値も上がることも期待できます。
自分の考えと少しでも違うとカッとなる人が皆さんの周りにもいるかもしれませんが、経理は自分の利己的な考えだけで仕事をするのではなく、自分自身についてでさえも客観的分析をできるメンタリティを持っていないと本来はいけない仕事です。
まとめ
IT台頭によって、経理のあり方が業務効率化の波が押し寄せ、大きく変わろうとしています。
そんな中で、目指すべき経理のキャリアプランは、
中小企業の経理を担当して、専門分野を掘り下げると同時に違う分野も学ぶことです。
そうすれば、複数の企業の経理を兼務できるため、アウトプットの機会が増えることにもなります。