会計システムは一度変更すると、そう気軽に変更できるものではありません。
そのため多くの経営者・経理担当者が会計システム選びに失敗したくないと考えています。
「最近の会計システムでは経理を大幅に効率化できる」という話は知っているけれど結局どれを選べばいいのか分からず、現状維持でこれまで使っているシステムを使っている場合が多いのではないでしょうか。
しかし現状維持では経理の業務効率が上がることはありません。やはり目的にあった会計システムを選ぶことが大切です。
この記事では数ある会計システムの中から、どんなポイントに気をつければ自社にとって最適な会計システムを選ぶことができるのか解説します。
Contents
会計システムとは
会計システムとは企業の日々の取引を記録・管理・処理をするためのシステムです。会計ソフトとも呼ばれています。
法令で定められた帳票類の出力・管理や税金の申告に必要な書類を作成できる機能がついているものもあります。
ひと昔前までは伝票と各種帳簿で仕訳を管理していましたが、近年では経理の仕訳入力に欠かせない存在です。
従業員300人以下の中小企業8,851社を対象とした会計ソフト導入に関するアンケートでは、「会計ソフトを利用」「全て税理士に任せている」「システムを自社開発」を選んだ企業は83.1%という結果が出ています。(参照データ:株式会社MM総研 2017年)
会計システムでできること
会計システムでできることは主に下記の4つです。
- 仕訳入力
- 試算表作成
- 各種帳票類の作成・出力
- 決算書類作成(貸借対照表・損益計算書)
その他にも下記のような機能がついているシステムもあります。
- 債権管理機能
- 管理会計機能
- 請求書作成機能
- 経費精算システム
機能が多ければ多いほどいいという訳ではなく、自社にとって必要な機能がついているかを見極めることが大切です。
現在の会計システムの種類
会計システムには大きく分けて全部で3種類あります。
現在1番多くのシェアをもつパッケージ型、続いてクラウド型、大企業や特殊な業種で使用される基幹システム連動型です。
ここからはそれぞれのシステムについて詳しく解説します。
パッケージ型会計システム
長い間会計システムのシェアをほぼ独占していたパッケージ型。
主なパッケージ型の会計システムは弥生会計や勘定奉行などです。
パッケージ型は長い間利用されてきたため、会計に関するノウハウが豊富にあります。また、使い方が分からない場合などのサポートが充実していることが最大の特徴です。
パッケージ型の会計ソフトはパソコンにインストールして利用するため、システムのアップデート時には再インストールするなど人手が必要です。
また会計システムを使用するパソコンを増やしたい場合はライセンスの追加購入が必要。その都度まとまった費用が発生することもパッケージ型会計システムの特徴のひとつです。
基幹システム連動型
もともと企業に導入されている基幹システムに人事情報・売上・購買・在庫・顧客情報などが入っている場合、基幹システムと会計システムを連動させれば効率的な会計処理ができます。会社規模やニーズに合わせて機能を開発できる点も大きな特徴です。
一方デメリットは初期費用が高額になること。数百万円〜数千万円程度かかります。また、システムが老朽化した際にはまた高額な費用が必要となります。
クラウド型会計システム
クラウド型会計システムは近年シェアを拡大している会計システムです。クラウド上に会計システムがあり、ユーザーはインターネットを通じて会計システムを利用します。
クラウド型会計システムのメリットは下記の通りです。
- システムのインストールが不要
- 使用するデバイスを選ばない
- ユーザーのライセンス追加や解約も簡単
- 法改正対応などのアップデートがあった際も自動で最新の状態のシステムが利用できる
- 月数千円から利用できる
デメリットはクラウド会計ソフトのID,パスワードの管理を厳重に行わなければどこからでもアクセスできてしまう点です。
フリーのWIFI環境もあまり好ましくないため、信用できる通信環境で利用するように徹底しましょう。
会計システムを選ぶときのポイント
会計システムを導入するときに考えたいことは「バックオフィス作業をどれくらい効率化できるか」です。
それぞれについて、ここから詳しく解説します。
自由度・柔軟性はどれくらいあるか
請求・仕入・人事からのデータを取り込む上での自由度や柔軟性が会計システムに備わっていると、経理の入力作業は効率化することができます。
たとえば一部のクラウド会計システムのように様々なシステムとAPI連携ができる仕様になっていれば、経理業務は大幅に効率化することができますよ。
入力作業をどれくらいなくせるか
経理以外の部署で使用しているシステムとデータを連携することができれば、経理が入力する作業を減らすことができます。
一度他部署で入力された数字や情報を、経理部で再度入力する必要がなくなります。
経営分析がしやすいか
売掛金・買掛金レポートやウィークリーレポート、月次推移レポートなど多様なレポートを視覚的に見やすく整え、分かりやすく表示してくれる会計システムもあります。
経営分析がしやすいレポートが表示されれば経理担当者が役員に数字の報告をする際にも、新しく資料を作る必要がなくせるかもしれません。
会計ソフトで経営分析も一緒に行いたい場合はこのような機能がついたシステムを選ぶとよいでしょう。
経理業務を効率化できるか
実は近年の会計システムの中には経理業務を効率化できるものもあります。
請求書を作ればそのデータが会計ソフトに反映され、仕訳や売掛金台帳への入力が不要になったり、インターネットバンクと連携して明細を自動で会計システムに反映してくれます。
また、買掛金の登録をしておけばインターネットバンキングで使える振込データ(全銀データ)をクリックひとつでダウンロードすることが可能なソフトもあります。
これらは一例で、経理業務を効率化させるために考え抜かれた会計システムを利用すれば大幅に経理業務を効率化することができます。
まとめ
一度導入すると変更が面倒な会計システムだからこそ、失敗したくないですよね。
- 経理業務を効率化できるか
- 自社にとって必要な機能がついているか
この2つの軸で会計システムを選べば失敗する確率を限りなく下げることができますよ。