突然ですが… 「食品ロス」をご存知ですか?
「食品ロス」とは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品を言います。
では、日本でどれくらいの食品ロスがあるのかというと…
「643万t」 ※平成28年度推計値
少し言い換えて
【日本人1人当たりが毎日お茶碗一杯分のごはんを捨てている】
と言えばイメージがつきやすいのではないでしょうか。
まだ食べられるのに捨ててしまうなんてもったいないですよね。
実は同じようなことが経理の現場でも起こっているのです。
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PKLとは
PKLとは、Personal Knowledge Loss(パーソナルナレッジロス)のことで、個人が身に着けた知識を正しく消費できていないことを意味します。
社員が費用と時間を費やして習得した知識を「使わない」「使えない」なんて、もったいない!!
このPKL、もったいないだけではなく実は経営においても大きな影響を及ぼすことになります。
PKLが企業に与える3つの影響
1.従業員のモチベーションの低下
習得した知識を使うことができない場合、向上心を摘んでしまう可能性があり積極的だった社員が消極的になってしまうことも。
2.人的リソースの浪費
付加価値を生み出すことができるにもかかわらずこれまでと同様の業務を行っている場合、将来における成果を得ることができないため機会損失していることに。
3.教育費の無駄遣い
正しい費用対効果が得られないのであれば、人材育成の仕組みを再考する必要があります。
場合によっては、広告宣伝費や福利厚生費など費用対効果のあるモノ・コトへの資本投下を検討しなければいけません。
PKLが生まれる原因
業績悪化の要因となるPKL。では、なぜPKLが生じてしまうのでしょうか?
それには2つの原因があります。
必要な経理スキルの不一致
1つ目は、
企業が求める経理象が経理担当者の未来像と一致していない
ことが原因となっています。
未来像が一致していなければ当然ながら必要と考える経理スキルも異なります。
▼企業が求める経理スキル
・正確な業務遂行力
・コミュニケーション力
・安定性(長期的に勤務が可能)
・適切なフィードバック、フィードフォワード
▼経理担当者が望む経理スキル
・税務知識
・財務分析
・CFO
・労務知識
このように、経営者と経理担当者が考える必要な経理スキルは異なります。
また、経理担当者が考える経理スキルは、税理士や社会保険労務士など専門家に依頼することが多いため必ずしも必要なスキルと経営者は考えていません。
当然ながらギャップあれば習得した知識を活かす機会がないため、自ずと知識が埋没することに…。
アウトプットの機会が圧倒的に少ない
2つ目は、
アウトプットの機会が圧倒的に少ない
経理の基本業務は、日次業務、週次業務、月次業務、年次業務に分かれ業務頻度が少なくなるほど業務の難易度があがります。
経理担当者は、難易度高い業務をこなすため勉強しますが…
アウトプットの頻度が少ない。これは、仕方のないことですが知識が埋もれてしまうことも事実です。
このように、たとえ企業が求める経理スキルを習得したとしても、経理スキルを活かす頻度が少なければスキルも陳腐化してしまいます。
さらに、習得した知識によっては、一度しか活かすことがなかったということも起きてしまうのです。
PKLの解消法
では、どのようにしてPKLを解消したらいいのでしょうか?
▼企業がすべきこと
方法① 事前に防ぐ
現在、「必要なリソースは社内で…」から「必要なリソースは必要な時に適切なコストで外部から調達…」と変化しています。
経理財務において知識が必要となった場合、「本当に必要なのか?」「外部から調達することができないのか?」と考えましょう。
方法② もっと事前に防ぐ
経理アウトソーシング導入しましょう。
経理アウトソーシングは、経理のプロフェッショナルが業務を行うため幅広い知識を持っています。また、遠隔かつユニット体制での経理業務を受託しているサービスでは、たくさんの引出しを持っており必要なときに必要な知識を得ることができます。
▼経理担当者がすべきこと
1人で複数の会社を担当する
現在、クラウドの普及により経理業務を遠隔でおこなうことができるため、一人で複数社の経理を行うことが可能になっています。
複数の企業を担当することでアウトプットの機会が増えれば、知識の陳腐化や埋没を防ぐことができます。
学んだことを結果にむずびつけることができれば学ぶことがもっと楽しくなるのではないでしょうか。
まとめ
企業が生産性の高い経営を目指すためには、PKLが起きない仕組みを構築し
必要と考えるリソースは「必要な時に、必要な知識を、適切なコストで外部から調達」
し、よりコストパフォーマンスが高い戦略を検討することが大切です。
また、経理担当者はクラウド会計ソフトが普及し経理環境が変化していることを踏まえ
アウトプットできる環境に身を置くことで確かな経理キャリアパスを描けるでしょう。