みなさんはご存知ですか?
日本は先進国で生産性と賃金が最下位です。
なぜだかわかりますか?
「すぐ決まる組織」の作り方 OODAマネジメントの著者 入江仁之氏は
PDCAの、計画(Plan)の準備、チェック(Check)の検査、確認、承認、待ち、そして改善(Action)の重複が、生産性を低下させることになりかねない
と本の中で語っています。
PDCAサイクルはまさに指示待ち人間を作り、組織活動にブレーキをかける行動である、というのです。
指示待ち人間は組織にとっては「組織の殺し屋」なのです。
Contents
PDCAサイクルは継続改善手法
PDCAサイクルとは、工場で生産などの業務と製品を継続的に改善するための方法です。
そして、日本の企業ではずっと大事にされ続けて来たものです。
1.PDCAは手順を重視します。
工業製品の品質管理などで有効な継続改善の手法です。
2.手順が重要になります。
計画が起点となり、計画に従う行動と計画との乖離の確認に集中することになります。
3.暗黙の了解としてこれまでの状況が変わらないことを想定しています。
工業製品の生産のように、状況が変わらないことを前提に計画を立てるのがPDCAです。
4.現状を打破するイノベーションは想定していません。
どのようになるか正確に予測できない状況では機能しません。
他の人が想定外だったことでも、経験を積んでいくと自分が想定できることが増えていきます。
それが自分からみて想定外のことは絶対に起きない状況。
そのような状況に限りPDCAは当てはまります。
自分が想定しなかったことが起き、想定しにくい状況ではPDCAは当てはまりません。
PDCAは、計画 Plan して実行 Do してチェック Check する手順の後にやっと行動 Actする。PDCAを速く回すといっても、計画して実行してチェックした後に行動です。構造として無理があります。この無理を高速に回転することで解決しようとしています。
行動Actionをするための思考法を考える必要があります。
計画やマニュアル通りに行動してはいけません。
現場で現実をみて、わかったら、動かなければ何も変わりません。
PDCAサイクルに変わる手法は?
(ウーダループ、OODA Loop)という、様々な思考法を包括した思考法があります。
個々の思考法を組み合わせて適用するメタ思考です。
弁証法やデザイン思考、批判的思考(クリティカルシンキング)、システム思考など多様なアプリを駆使して思考します。
OODAループは、同時並行処理したりショートカットするという意味でリアルタイム処理の最新「OS」です。
インターネット、スマホそしてAI機械学習が登場して主流となっている思考法です。
PDCAは、いわば継続的改善の「アプリ」なので、その点でも全然違います。
OODAループとはなんでしょう?
みる・わかる・きめる・うごく・みなおす/みこす
OODAループは、あらゆる所で使える画期的な思考法です。
OODAループのプロセスは、以下の五つからなっています。
・みる (見る、観る、視る、診る) :知覚:Observe
・わかる (分かる、判る、解る) :認知:Orient
・きめる (決める、極める) :判断:Decide
・うごく (動く) :実行:Act
・みなおす (見直す) :改善:ループLoop
人は、このOODAループの五つのプロセスで行動しています。
OODAループは、目的と目標を見極め状況をみて直観と意思決定を包含した判断力を駆使して行動するプロセスから構成されています。
人工知能によって代替されない人間の能力は?
「人工知能を活用すべき能力」と「人間の力として強化すべき能力」は一体何だと思いますか?
判断力には、人工知能が代替できる力とできない力があります。
感知し予測するに足る十分なデータがある場合には人工知能が優位です。
感知データの学習による予測とそれに基づく意思決定は人工知能によって代替することが可能と考えられます。
実際にはその人工知能の導入コストと投資効果が見合えばいずれ代替されるでしょう。
人工知能によって代替されない判断力が、人間の力として強化すべき能力なのではないでしょうか?