「予算管理って何?」「予算は管理しないといけないの?」「予算ってどう管理するの?」この記事では、こんな予算管理の疑問について解説していきます。
まずは予算管理の目的・4つの予算について解説していきます。その後で具体的な予算の手順についてみていきましょう。初めて予算管理をする方におすすめです。
予算管理は、企業を経営し経営判断を行う上でとても重要なものです。基本をしっかりと理解した上で予算管理に望みましょう。
Contents
予算管理とは―予算の目的と経営管理との違い
なぜ予算管理を行う必要があるのでしょうか?この章では予算管理の基礎について解説してきます。
そもそも予算ってなに?
予算とは、一定の期間の間に企業のお金(売上や利益、費用など)がどのようになるのか予測したものです。「この額までは売り上げる」「これくらい利益を獲得する」という目標とも言えます。
予算は主に4つの観点から作られています。その4つとは、売上予算・原価予算・経費予算・利益予算。それぞれどのようなものなのか後ほど詳しくみていきます。
予算管理の目的とは?
なぜわざわざお金がどうなるか予測を立てるのでしょうか?その答えは、企業が健全に営業活動を続け、利益を生み出すためです。
例えば、いつ・何に・どれだけ費用を支出するのかということがわかっていないと、今あるお金の中からいくらまで事業に使ってよいのか判断することができません。もし今後の支払い額がわからず支出しすぎてお金がなくなってしまうと、企業の営業活動を続けることはできなくなってしまいます。
そして、そのような企業では利益を得ることができません。利益の出ていない状況では、長く企業を存続させることはできなくなってしまいます。
そうならないためにも、いつどれだけの売上があってどれだけお金を使う予定があるのか、予算として管理していく必要があります。
予算管理と経営管理の違い
予算管理は売上や利益などの目標を明確にしていくこと。
一方、経営管理とは経営に関するさまざまな事柄を管理していくこと。人的資源の管理や顧客管理などが含まれます。そして、その中には予算管理も含まれています。経営管理の要因のひとつに予算管理があるのです。
予算管理の4つの予算とは(予算の種類)
予算には4つの種類があります。
売上予算
売上予算とは、年間・または月間でいくら売り上げることができるのかという予算です。売上目標といい換えることもできます。市場のニーズや経済の状況など外的要因を折り込んで予算を作る必要のある項目です。
原価予算
原価予算とは、商品の製造やサービスの提供に必要となる原価を管理することです。売上予算と連動させて作る必要があります。
経費予算
経費予算とは、企業を経営するためにどのくらい費用が必要なのか管理することです。オフィス賃料や従業員の給料などが該当します。
利益予算
利益予算は、どのくらい利益を上げることができるのか管理することです。他の予算と連動して考えることが一般的です。利益は企業経営において最も大切なものです。
予算管理4つの手順ー計画・実行・分析・改善
ここからは「具体的に予算はどう管理すればいいのか?」についてみていきます。
1.予算計画を立てる
まず、予算を策定します。売上予算・原価予算・経費予算・利益予算の内訳を決めましょう。予算を作成する際は「なぜその金額になるのか」という根拠を考えることが重要です。
例えば、7月の売上予算を決めるときは「毎月7月はこのくらい売れている」ということや「最近は平均的に月の売り上げがこのくらいになる」といった過去の数値を目安に予算を考えていきます。それに加えて、これから先の市場のニーズや経済の状況、企業の経営方針など外的な要因を加味して調整を加えます。
この予算の立て方はあくまでも一例ですが、何かしらの根拠のある数値で予算を作ることが重要です。そして「なぜその数値を予算としたのか」がわかる根拠も予算とセットで記録しておくようにしましょう。これはこの後の分析・改善につながっていきます。
2.予算に基づいて実行する
予算に基づいて日々の営業活動を行っていきます。予算外の出来事があった場合は、その旨しっかりと記録しておきましょう。後日分析するときに役立ちます。
3.予算実績を分析する
予算と実績を比較して「なぜ差が生じたのか?」を分析していきます。分析のときには予算策定時の根拠と見比べ「何が予算外だったのか?」「どこが予算とずれたのか?」を確認していきます。
予算と実績の差異が大きく出てしまったときには、予算の根拠から考え直すことが必要です。
4.予算管理の改善を行う
差異の分析の次は「どうすれば差を改善できるのか?」を考えます。
予算管理は企業を経営する上で重要なものです。経営判断を行う際に参考にする数値でもあります。そのため、予算と実績に大きく乖離がある状態では正確な経営判断が行えません。
予実差の分析で判明した原因を解決した上で、次の予算ではより実績と差が出ない予算を作れるよう改善していきましょう。
まとめ
予算管理は企業を経営していく上で欠かせないものです。予算があることで、企業のお金をどれだけ使っていいのか、またこれからどれだけ利益が上がるのか考えることができます。そして、それを基に経営判断を行なうことができます。
そのため、予算はしっかりとした根拠に基づいて策定する必要があります。「なぜこの予算になるのか?」を十分に検討した上で数値に落とし込むようにしましょう。
予算は策定するだけでは意味がありません。なぜ予算と実績に差ができたのかを考え、そしてその差を改善していくことこそが重要です。しっかりとした予実管理を行い、企業経営に役立てていきましょう。