本年度の税務は豊富なネタがいっぱいです。
会社員であるあなたは、2020年今年の年末調整で、所得税が大幅に変わったということに気がつかれた方もいらっしゃるかもしれません。2020年の年末調整はいつもと違う!?年末調整の電子化とは
もしくは、あなたが経理で年末調整担当者ならば、今頃目が点になっているかもしれません。
今年の国税庁の年末調整のパンフレットは、120ページ以上もあり、例年よりも分厚いので、驚かれた方も多かったのでは?
今回は、2021年2月16日(火)~3月15日(月)に提出する確定申告をする個人事業主の青色申告の視点からお話しようと思います。
青色申告特別控除の変更点
2019年分までは「10万円・65万円」の2段階しかなかった青色申告特別控除が2020年分の確定申告から「10万円・55万円・65万円」の3段階に変更されます。
2021年2月16日(火)~3月15日(月)に提出する確定申告から適用されます。
この変更で、65万円の控除について、新しい要件(電子申告など)が追加されます。
65万円控除を受けるための要件がひとつ増えたということです。
65万円控除の新たな要件とは?
65万円控除の新たな要件とは、e-Taxを用いた「電子申告」もしくは「電子帳簿保存」のいずれか1つを行うこと。
青色申告をするためにはあらかじめ税務署へ「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
申請書を期限内に提出しなかった人は、そもそも青色申告をすることができず、白色申告となります。
青色特別控除が10万円控除だった方
基礎控除が一律38万円から合計所得金額次第で変動性になります。
高所得者は基礎控除はありません。
ですが、去年までは38万円だった控除額が合計所得金額が2,400万円以下の場合は原則48万円に引き上げになります。
今まで10万円控除を受けていた人は、今回の青色申告特別控除の改正による変更はありません。
なので、2020年申告分から基礎控除分が10万円上がるぶんだけトータルは控除額は10万円アップすることになります。
青色特別控除が65万円控除だった方
今まで65万円控除を受けていた人は、2020年分からは「e-Taxを用いた「電子申告」もしくは「電子帳簿保存」のいずれか1つ」を行わないと、控除額が55万円に引き下がってしまいます。
けれど、上記の青色特別控除が10万円控除だった方と同じく、基礎控除が原則48万円に引き上がりますので、55万円控除になってもトータルで損をすることはありません。
青色申告特別控除の減額分10万円は、基礎控除の増額分10万円で補填されます。
「e-Taxを用いた「電子申告」もしくは「電子帳簿保存」のいずれか1つ」をクリアすれば、2020年分からも引き続き65万円控除を受けられます。基礎控除は10万円引き上がるので、トータルの控除額は10万円アップします。
電子申告と電子帳簿保存では、電子申告がダンゼンオススメ
2020年分の確定申告において「電子帳簿保存」で65万円控除を受けるには、新規開業の場合を除き、2020年9月30日までに申請を行う必要がありました。
これから65万円控除を狙うなら、必然的に「電子申告」をすることになります。
インターネットを介して行う税金の申告を「電子申告」といいます。
「所得税の電子申告」を行うと、65万円控除の新要件をクリアできます。
所得税の電子申告にはいくつか方法がありますが、費用を一切かけずに、簡単な手続きだけで済ませることも可能です。
所得税の電子申告をする方法は、電子申告用のデータを「確定申告書等作成コーナーで打ち込むパターン」と「市販の会計ソフトから出力するパターン」この2つです。
・作成コーナーから電子申告をするなら、ID・パスワードを税務署で発行してもらう必要があります。
・e-Taxソフトを利用するなら、マイナンバーカードの用意が必要になります。
どちらにしても事前準備が必要です。
まとめ
- 青色特別控除10万円だった方は、変わらないが、基礎控除が原則10万円アップしている。
- 青色特別控除65万円だった方は、e-Taxを用いた「電子申告」もしくは「電子帳簿保存」のいずれかを実施しないと控除は55万円になる。(基礎控除は原則10万円アップしているので、実質は現状維持)
- 電子申告と電子帳簿保存では、電子申告がダンゼンオススメ。
- 2020年度申告用の電子帳簿保存の申請は2020年9月30日までだった。
- 初めての電子申告は、ウェブ上の「確定申告書等作成コーナー」を利用する方法がおすすめ。