さまざまな関係者がいる業務で、意思疎通を図ることは簡単ではありません。人はそれぞれ立場や考え方が違うため、実は十分な意思疎通がむずかしいのは当たり前なのです。
それゆえ、相手に何かを伝えるために「5W2H」というフレームを使い、段取りをすることが効果的です。
よく、「準備8割・本番2割」といわれるように、準備をしっかりしておくことで、本番で望む成果に近づけることができます。
この記事では、「経理プロセスの再構築」を例にあげて、5W2Hを使った段取りの方法を解説します。
Contents
5W2Hとは
5W2Hとは以下の頭文字をとったものです。
- WHY(なぜ)
- WHAT(何を)
- WHO(だれが)
- WHEN(いつ)
- WHERE(どこで)
- HOW MACH(いくらで)
- HOW(どうやって)
このフレームを使って、業務計画を立てたり、会議の事前準備を行なうと、伝えたいことが相手にしっかりと伝わります。
どういう理由でプロジェクトを行ない、何を、だれがどうやって進めていくのかなどを具体的に計画することで、コミュニケーションを円滑にすることができるのです。
段取りをする対象は2パターンある
- 会議やイベントなど
- システム導入や業務など
今回この記事で例にあげるのは、経理プロセスの再構築なので、「システムの導入や業務など」に該当します。しかし、経理プロセスの再構築のためには、関係社員に新プロセスを説明する会議なども行なうでしょう。その場合は「会議やイベント」の段取りも必要です。
会議やイベントなどの段取りをするときは、5W2Hのフレームを使って準備を進めることはもちろん、当日の進行シュミレーションをしておくことも大切です。
5W2Hを進める7ステップ
ここからは、「経理の効率化」を例にあげ、5W2Hを使ってどのように進めるのかを解説します。
1.WHY「なぜ経理を効率化するのか」
まずはじめに、目的を明確にします。
なぜ経理を効率化する必要があるのか、関係者と目的をすり合わせます。
「経理の人手が足りないから効率化する」のと「経理をリモートにしたいから効率化する」では、課題解決のための手段がちがってくるはずです。
目的が決まらなければ、効率化の内容も決めることができません。そのため1番はじめに、WHYを明確にする必要があるのです。
2.WHAT「経理を効率化するために何をするのか」
WHATでは、目的を達成するために何をするのか、を明確にします。目的が決まっていれば、おのずと何をするべきかが見えてくるでしょう。
たとえば経理をリモートにしたいから効率化するのであれば、
- クラウド会計ソフトを導入する
- クラウド経費精算システムを導入する
- 小口現金をなくす
- 証憑類をPDF化する
などの具体案がでてくるでしょう。
このように、具体的にやるべきことを決めていきます。
3.WHO「誰がやるのか」
何をやるのかが決まれば、だれが関係者になるのかを決めることができます。
たとえば経費精算をクラウド化するのであれば、経費をよく申請する営業担当者も関係者になります。
営業担当者のうち、誰か1人を新経理プロセス構築のプロジェクトに入ってもらうなど、決めることができるでしょう。
4.WHEN「いつやるのか、いつまでにやるのか」
ここまで決めたことを、「いつやるのか・いつまでにやるのか」を決めるのがWHENです。経理の新プロセス構築はいつまでに完了しなければならないのか、そのためにWHATで決めたことをいつやるのか、を決めていきます。
この段階でスケジュールを確定していきます。
5.WHERE「どこでやるのか」
経理をリモート化するという目的の場合、クラウド会計ソフトはどこの製品を使うのか、を決めていくことになります。
また、外部のコンサル会社を入れる場合も、どことやるのかを決めなければなりません。
6.HOW MACH「いくらコストをかけてやるのか」
WHEREが決まれば、いくらコストがかかるかがわかります。もちろん、はじめから予算内で行なわなければならない場合もありますが、1〜5までが決まっていれば、予算内でできるのかどうかも判断できるでしょう。
7.HOW TO MANAGE「どのように進行管理するのか」
だれがどのようにプロジェクトを進め、どのようにコミュニケーションをとるのか進行管理をする必要があります。
たとえば、ガントチャートを使う、日報で管理するなど、さまざまな方法があります。これらを決めておくことで、プロジェクト進行の抜け・漏れを最小限に抑え、プロジェクトを進めることができるでしょう。
まとめ
5W2Hはさまざまなシーンで使え、繰り返し活用していくと、自然と段取り力がアップしていきます。
ぜひ日々の業務やプロジェクトを5W2Hで考えてみてくださいね。
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