さまざまな行政手続きの電子化が進められていく中で、2019年10月から地方税共通納税システムが導入されました。
この地方税共通納税システムを使えば、特別徴収した従業員の個人住民税を納付するためだけに、銀行の窓口に並ぶ必要がなくなります。
毎月10日までに住民税納付のために銀行に行っていた方、必見です。
Contents
地方税共通納税システムとは
地方税共通納税システムとは、自宅やオフィスから、地方税の納税手続きを電子的に行うことです。
これまで金融機関などの窓口へ支払いに行っていた住民税なども、すべての地方公共団体へ一括して電子納税することが可能です。
地方税共通納税システムは以下から、利用登録をすることができます。
地方税共通納税システムで納付できるもの
地方税共通納税システムで納付できる税目はいくつかあり、以下のとおりです。また、必要に応じて延滞金・加算金などを納付することもできます。
- 法人都道府県民税
- 法人事業税
- 特別法人事業税(地方法人特別税)
- 法人市町村民税
- 事業所税
- 個人住民税
(退職所得に係る納入申告・給与特徴で税額通知が電子的に送付されている場合)
企業の住民税納付方法は3つある
住民税の納付方法には「特別徴収」と「普通徴収」の2つの方法があります。ここからは、この2つの違いについて解説します。
特別徴収
地方税法において、給与支払い者は特別徴収義務者として、個人住民税を徴収しなければならないと定められています。(地方税法第321条の4)
企業でで徴収された個人住民税は、企業が各地方自治体へ期日までに支払いをします。1年分の住民税を12回に分けて、毎月納付をするのが特徴です。
普通徴収
企業に属していないフリーランスや個人事業主などの方は、各市町村から送付されてくる納付書を使用し、自分で個人住民税を支払います。納付月は年4回で、6月、8月、10月、1月です。
納付方法は金融機関窓口やコンビニで支払いができるほか、クレジットカードで住民税を納付できる市町村もありますよ。
住民税が納付できる場所はどこ?
では住民税はどこで納付することができるのでしょうか。ここからは、企業が特別徴収を納税するときの納付場所についてお伝えします。
銀行の窓口へ行く
従業員の個人住民税納付書と通帳を持って銀行へ行けば、銀行の窓口で住民税を支払うことができます。
この方法は、銀行に行く手間がかかるため、最近ではこれからお伝えする「インターネットバンキングの住民税納入サービス」や「地方税共通納税システム」を利用する企業が増えています。
インターネットバンキングの住民税納入サービスを利用する
都市銀行では、インターベットバンキングに申し込むことで、地方税を納入することができるサービスがあります。
個人住民税はペイジーを利用すれば、インターネット上から納付が可能としている市町村が多いのが現状です。しかし、この住民税納入サービスを利用すると、ペイジー対応していない市町村へも個人住民税を納付することができます。
利用方法は、毎月の納付データをインターネットバンキング上に入力し、各市町村へ納付します。
手数料は金融機関によって異なるので、取引している金融機関に確認してくださいね。
地方税共通納税システムを利用する
eLTAXの地方税共通納税システムを利用して、個人住民税を納付する方法です。インターネットがある環境であれば、オフィスからでも自宅からでも納付することができます。
しかも、手数料は無料です。
共通納税対応金融機関の数も多く、利用しやすいのではないでしょうか。
地方税共通納税システムを利用する5つのメリット
- 全地方公共団体へ電子納税ができる
- 手数料が無料
- ダイレクト納付ができる
- 金融機関窓口などへ行かなくても納税できる
- 電子納税で納付事務の負担が軽減される
上記のように5つのメリットがありますが、「全地方公共団体へ電子納税ができること」「銀行へわざわざ行かなくてよいこと」が大きなメリットではないでしょうか。
地方税共通納税システムを使えば、銀行へ行く往復の時間や窓口での待ち時間を、生産的なことに使えるようになるでしょう。
地方税共通納税システムの登録・利用方法
地方税共通納税システムの利用登録は、以下のように行ないます。
- 利用届出…eLtaxのホームページから、利用届(新規)を提出
- 電子申告…PCdeskなどeLtax対応ソフトウェアから申告書を作成・送信
- 納付情報入力…納税する税金の種類や納付先などの情報を入力、またはCSVデータの取り込み
- 納付方法選択…インターネットバンキングまたはダイレクト納付を選択
- 納税…インターネットバンキングか、事前に登録した銀行口座から引き落とし
まとめ
これまで「銀行の窓口へ行かないとできない」と思っていたことでも、働き方改革など時代が進むにつれ、できることも増えてきています。
地方税共通納税システムは企業の個人住民税納税担当者にとって、とても便利な仕組みです。
まだ導入されていない方は、ぜひ検討してみてくださいね。
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