経理にSaaSを導入すれば効率化できると聞いたけれど、実際SaaSが何なのかよく分かっていないという方も中にはいるかもしれません。
経理にSaaSを導入すれば効率化をすることは可能です。しかし、SaaSを導入するだけではあなたの会社の効率化計画は失敗するでしょう。
なぜならSaaSを導入して効率化を成功させるにはコツがあるからです。
この記事では
- SaaSの基礎知識
- SaaSのメリット
- SaaS導入を成功させるコツ
などをくわしく解説します。
Contents
SaaSの基礎知識
SaaSはサースもしくはサーズと呼ばれています。
Software as a Serviceの略で「サービスとしてのソフトウェア」という意味。
ここでいうサービスとはクラウドサービスと同義語、つまりインターネットを使ったソフトウェアという意味です。
SaaSではベンダーから提供されたソフトウェアはクラウドに存在します。そのソフトウェアをインターネット経由でユーザーが利用します。
従来のソフトウェアのようにパソコンにインストールする必要がないため、ソフトウェアを使用する場所やデバイスはユーザーの自由。(一部のSaaSではデバイスにアプリをインストールする必要があります。)
ソフトウェアのアップデートがあった場合もインストール型なら新しいバージョンを購入する必要がありますが、SaaSならベンダーが新しいバージョンをアップデートしてくれます。
SaaSでできること
上記のSaaSの基礎知識では大まかなSaaSの枠組みについてお伝えしました。
ここからは具体的にSaaSでは何ができるのかを解説します。
異なるデバイスから利用できる
IDとパスワードがあればパソコン・スマホ・タブレットなど異なるデバイスからいつでもどこからでもソフトウェアにアクセスすることができます。
たとえば営業の経費精算の効率があがります。
これまで出張の多い営業部員はオフィスで経費精算をする時間がないため、つい後回しになってしまっている企業も多いのではないでしょうか。
SaaSの経費精算システムを導入した場合、営業部員は出張先の移動中に領収書をスマホのカメラで撮影し、経費精算の申請をすることができます。
その経費精算の承認者である上司が別の場所に出張中でも、申請が上がってきたものをノートパソコンで承認することが可能。
異なるデバイスからアクセスできることで、会社全体の効率がよくなりますよ。
複数人で利用できる
従来のインストール型のソフトウェアではインストールされたバソコンでしか利用することができず、ソフトウェアを利用できる人が限られていました。
SaaSなら必要な人数分のライセンスを契約すればすぐに同じソフトウェアを利用することができます。
インターネット環境があればアクセスできる
SaaSはインターネット環境があればいつでもどこでもアクセスすることができます。
そのため移動中や在宅勤務などさまざまなシーンでの利用が実現し、社員の作業効率アップが期待できます。
経理でSaaSを使うメリット3つ
経理でSaaSを使うメリットは3つですが、1番大きなメリットは法改正があっても自動的にソフトウエアがアップデートされることでしょう。
会計に関する法律は頻繁に変わるため、その度に手動でソフトウエアを更新しなくても良いのは大きなメリットだといえます。
その他のメリットは経理に限らずSaaS共通のメリットです。
法改正があっても自動的にアップデートされる
経理では会計に関する法律が頻繁に変わります。
SaaSの経理ソフトウェアを利用していれば法改正のとき、自動的にソフトウェアがアップデートされます。
ユーザーは自分でソフトウェアを再インストールする必要がないため、インストール漏れなどのミスがなくなりますね。
料金はライセンスを利用した分だけ
SaaSは基本料金とライセンス利用料を支払って利用します。
たとえば今月は10人分のライセンスで利用して、来月は新入社員が入るため2ライセンス追加する、といったことも簡単にできます。
ライセンス追加をすれば全てのデータをすぐに全員で共有されるため、情報共有もれなどのリスクもなくせるでしょう。
いつでもどこでもデータにアクセスできる
インターネット環境があればいつでもどこでもソフトウェアにアクセスすることができます。
たとえば体調不良でオフィスで仕事はできないけれど在宅なら対応できるといった場合、SaaSを利用していれば業務を滞りなく進めることが可能です。
SaaSを導入して経理を効率化を成功させるためのポイント
ここまで解説したSaaSでは経理が大幅に効率化できそうだと思っていただけたのではないでしょうか。
しかし単にSaaSを導入しただけでは本当の効率化にはつながりません。
なぜならソフトウェアをインストール型からSaaSに置き換えただけだからです。
ここからどうすればSaaSを導入して経理を効率化を成功させるコツを解説します。
業務プロセスの見える化
まずは経理の業務プロセスを見える化します。
請求、支払いなどの各業務を「誰が・何件・何時間で・いつ・どのように」が分かるように書き出します。
その作業をなぜ行なっているのかという目的も一緒に書き出しましょう。
業務プロセスをまとめる・なくす
業務プロセスを見える化できたら、二重作業になっているものをまとめます。
また経理業務では前任者から引き継がれ、そのまま目的もなく行われている業務が隠れている場合があります。
そういった業務はなくしてしまいましょう。
業務プロセスに合ったSaaSサービスを選ぶ
自社の業務プロセスが整ったら、SaaSサービスを選びます。
自社に必要なサービスがあるものを選びましょう。
1つのサービスで業務プロセスがカバーできない場合は、個別業務に特化したサービスも一緒に利用します。
自社で業務プロセス整理やSaaS選定がむずかしいときはアウトソースする
ここまでは自社で経理プロセスを整理し、SaaSを導入するための方法をお伝えしました。
しかし現場ではリソースが足りず、業務プロセスの整理やSaaSの選定まで手が回らないかもしれません。
このような場合は業務改善コンサルティング会社などにアウトソースするといいでしょう。
専門のコンサルティング会社なら同じような案件をいくつも経験しているため、ノウハウが豊富です。
自社リソースの節約にもつながり、SaaS導入もスムーズに進むことが期待できます。
まとめ
SaaSは経理を効率化するために有効な仕組みです。
実際にソフトウェアをSaaSにした企業の事務作業効率は上がっています。
しかし中にはSaaSを導入したのにもかかわらず、効率化につながっていない企業があることも事実。
SaaSは単にソフトウェアを置き換えるだけでは効果を発揮することができません。
きちんと業務プロセスを整理して導入してこそ効果を実感できるものです。