経理部に新入社員が入社するとき、雇用契約書や健康保険加入手続きの準備などに目がいきがちです。
そのような基本的な準備も大切ですが、新入社員がスムーズに業務に慣れるために、準備しておくことや研修の際に伝えるべきことがあります。
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入社準備のコツは「経理の全体像を可視化しておく」
新入社員が入社するまでにできることは、現状の経理の全体像を可視化しておくことです。全体像を可視化とは、経理プロセスを見える化し、業務をマニュアルにします。
まず経理プロセスを見える化するには、以下の項目で分けるとよいでしょう。
- 仕入・経費の支払い
- 売上請求
- 会計入力
- 経費精算
- 給与計算
- 小口現金管理
この経理プロセスについては、企業によって内容が異なりますが、基本的にこの6つです。経理担当者が、総務や営業事務を兼務している場合に追加で作成します。
また、マニュアルの作成についても、上記6つのプロセスについて作成します。マニュアルにすることで、現経理担当者が感覚で業務をしていたことが明確になり、脱属人化にもつながります。
新しい人が入社するタイミングは、いままでの経理プロセスを見つめ直すチャンスです。非効率になっている業務や、属人的になっている業務があればプロセスのみなおしをしてみるのもいいかもしれません。
入社後の研修やOJTのポイント
実際に新しいメンバーが入社したら、事前に準備した資料を使って業務を説明したり、OJTの中で業務を伝えていきます。その際に、どのようなポイントに注意して進めるのでしょうか。
ポイントは「業務内容・範囲の把握、経理マインドを伝えること」です。
業務の全体像を説明する
経理業務はさまざまな工程で成り立っています。そのためチームでこなしていることも多いもの。まずは経理業務の全体像を説明し、把握してもらいましょう。年単位・月単位・日単位での業務で考えると、まとめやすくなります。
ちなみに経理業務の全体像は、以下の通りです。
- 売上請求書作成
- 小口現金の管理
- 仕入・経費の請求書チェック、支払い
- 経費精算
- 会計入力・帳簿作成(月次)
- 売掛金・買掛金管理
- 給与計算
- 税金の管理・納付
- 経営資料作成
チーム内での役割を説明する
経理業務の1人あたりの範囲は、企業によって異なります。大企業であれば、売掛金のみ担当する、など1つの業務に特化して対応することもあります。一方で、中小企業の場合は経理から営業事務にかかわる業務まで、数名で対応することもあるでしょう。
経理は1つ1つの業務を、スピーディーかつ正確に処理しなければなりません。そのため誰がどの業務をどこまで担当しているのかをしっかりと決め、各自が業務をこなしていくことが大切です。
機密情報の取り扱いについて自覚してもらう
企業の血液ともいえる資金や、重要な情報を扱うのが経理部。社員の給与計算や、取引の契約書に目をとおすこともあります。取り扱いが繊細な情報にふれる経理は、情報漏洩に気をつけなければなりません。
たとえば、社外秘の資料をデスクの上に置いたまま離席すると、社員や出入りがある外部業者の目に止まることも考えられます。このようなところから、情報漏洩が起こるのです。
そうならないためにも、機密情報の取り扱いについては入社してすぐ、新しいメンバーに自覚してもらうようにしましょう。
正確な処理を意識づける
経理は「正確に、ミスなく業務をしなければならない部署」というのは、よく知られています。ではなぜ正確に処理をしなければならないのでしょうか。
たとえば、請求書にまちがった金額が記載されている場合、相手によっては「どんな社内管理をしているのだろう?」と思われてしまうことも。一事が万事、経理でミスがあれば取引先からの信用を失ってしまうこともあります。
このようなことで得意先からの信用を失わないためにも、正確な処理を意識づけましょう。
まとめ
繰り返しになりますが、新入社員が部署に配属されるタイミングは、いままでの経理業務をみなおすチャンスです。
新入社員に説明するつもりで、現メンバーの業務範囲を確認すると「意外とあいまいになっていた」なんてこともあります。また、機密情報を扱っているという意識や、処理の正確さが大切だという、初心を思い出すいい機会にもなるでしょう。
事前準備と研修をしっかりと行ない、新メンバーには安心して業務についてもらえるようにしたいですね。
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