経理業務は月末月初が忙しい、と思っている方も多いでしょう。
また、特定の人だけが忙しくなりやすい部署でもあります。
このような状況を「経理だからしかたない」とあきらめていませんか?
実は経理も、工夫をすればある程度、業務の波を平準化することができます。
この記事では経理業務に波がある理由と、経理を平準化するための方法をくわしくお伝えします。
経理業務には波がある理由2つ
[経理には1ヶ月、1年のうちでも業務量に波がある]
ということは、経理を担当したことがない人でもある程度ご存知かもしれません。
しかし、どのような理由で経理業務に波があるのかを知っている人は少ないでしょう。
業務量が大きく変わる理由は「締め日」と「属人的な業務」にかくされています。
ここからは、その理由をくわしくみていきましょう。
締め日がまとまっている
経理では月末月初に業務が集中しています。
とくに支払いに関して「月末締め・翌月末支払い」として、ルールを決めて運用している企業も多いのではないでしょうか。経理上、よくみかける運用ですが、実は法律で決まっているわけではありません。
また、入金確認・会計ソフトへの仕訳入力・経費精算・経営資料の作成など、月末月初に一気に仕事が押し寄せてきます。
しかも、他部署からまわってきた請求書や申請書に不備があれば、確認してから処理を進めるため、思うように業務がはかどらないことも多々あります。
業務が属人的になっている
中小企業では経理担当者が、1人〜数人ということもめずらしくありません。
そのため経理業務が、ある特定の人に集中しやすくなります。とくに会計ソフトなどに仕訳を入力する人は、経理に関するあらゆる情報を把握しておく必要があるため、業務が集中しやすく属人化しやすいポジションです。
経理業務の属人を防ぐには、経理の見える化とITツールの活用がポイントです。くわしくは次の項目で解説します。
経理を平準化する3つの方法
ここからご紹介する経理を平準化する方法は、社内・社外ともに、まわりを巻きこみながら進めます。
そのため、事前に関係者へはよく説明・相談し、時間はかかりますが丁寧に進めてくださいね。
支払日・締め日を分散させる
請求書では「月末締め・翌月末支払い」がメジャーですが、実は法律で決まっているわけではありません。
そのため仕入れや経費の請求書で、支払い期日について相談し、合意があれば、
- 毎月10日までに届いたものを月末支払い
- 毎月20日までに届いたものを10日支払い
にするなど新たにルールを決めることも可能です。
これまで月1日だった支払日を、月2回に変えることで、忙しさを分散させることができます。
売上の締め日も同様に、締め支払日は企業側で自由に決めることができます。売上の請求書発行を月末だけでなく、10日締め、20日締めなど増やすことで、経理業務の波を平準化させることができます。
ただし、取引先と契約する際に締め支払日については取り決めていることが多いため、締め日を変更したい場合には、事前に必ず取引先に相談するようにしましょう。
業務の属人化をなくす
繰り返しになりますが、中小企業の経理部は人数が少なく、1人で経理を担当していることもめずらしくありません。
そのため、経理業務が属人化しやすく「請求書に関してはAさんしか業務内容を知らない」ということもあります。誰か特定の人しか、自社の経理について分からないという状態は、企業にとってとてもリスクが大きい状態です。
このようなリスクを減らすためにも、経理業務を複数人が知っている状態にし、人の面でも経理を平準化することが大切です。
ITツールを導入する
業務の属人化をなくして平準化するためは、経理プロセスを見える化し、ITツールを導入することが効果的です。
近年の経理にかかわるITツールは、経理プロセスを大幅に効率化してくれます。一方、ITツールを導入するためには、いままでの経理プロセスを抜本的に見直さなければ、ITツールのよさを最大引き出せないことも多々あります。
そのため、ITツールを導入すれば必然的に既存の経理プロセスを見える化することとなり、業務プロセスを再構築することができます。その段階で、業務が属人的になっている部分をみつけられるので、経理の平準化が進めやすくなります。
まとめ
経理を平準化するためには、経理プロセス面と人の面からアプローチすることが大切です。
経理業務が平準化できれば、これまで業務がなく手持ち無沙汰になっていた時間も有効活用することができます。
また、締め日・支払日の変更は、取引先の理解があって成立するものです。そのため経理の平準化は、他部署の従業員や取引先を巻きこみながら、少しずつ進めることになるでしょう。
一度に経理プロセスを全て変えるのではなく、取引先や他部署の従業員の混乱が最小限になるよう、経理の平準化を進めてみてくださいね。
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